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第76回 学習アドバイス「過去問・赤本の利用の仕方(39)今後の学習戦略(3)」

■毎年のように繰り返し出ている問題はあるか?(数年ごとに出ている問題はあるか?)

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以下のような英文法の正誤問題は、苦手(又は嫌い!)とする受験生が多い出題形式の一つです。

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問題 誤りを含む箇所を指摘し、正しい英文に書き改めよ。

The announcement [ ①which ] all frights were canceled because of [ ②bad weather ] [ ③greatly distressed ] the [ ④waiting ] passengers.

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しかし、このような正誤問題においては、チェックすべきポイントになる項目がある程度限られているものなのです。

例えば、X大学では毎年この手の正誤問題が10題出題されているとしましょう。

そしてその10題を通じて学んだ内容のうちのいくらかが、翌年の10題でも必ずと言っていいほど出題されます。

このことから、過去問を5回分ないし10回分演習し、そこで出題されたポイントをしっかりとマスターしておけば、それだけで10題中7~8割方の得点は見込めるイメージがあります。

具体的に上記の問題で説明しましょう。

●正誤問題 → 光り輝く“決定的な間違いヵ所” を探す

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この手の正誤問題では、すべての傍線箇所の正誤を指摘できるのに越したことはありませんが、実際の試験ではそれが目的ではありません。

実際の試験では、「絶対に正解はこれだ!」というものを確実に(そしてなるべく速く)見つけることが求められています。

よって、「①の選択肢=これは誤りはないだろう」「②の選択肢=正誤は微妙」「③の選択肢=正誤は微妙」「④の選択肢=明らかに誤っている」→よって正解は④、と考えて次の問題へと歩を進めることになります。
(もちろん、今後の学習の糧とするためにすべての選択肢の正誤を確認するという作業は是非行うべきです)。

今回の問題では、The announcement which …までを読んで、

1.whichはおそらく関係詞。
2.主語(The announcement)の後の関係詞だから、関係詞節(関係詞whichの作るカタマリ)が終わったらV(述語動詞)が来るはず。
3.Vはdistressedなので、この前までがwhichのカタマリであると考える。
(ちなみにgreatlyは副詞でdistress「失望させる」というVにかかっている(「大いに失望させた」)。よって、greatlyは関係詞のカッコには入らない。

The announcement (which all frights were canceled because of bad weather) greatly distressed …

すると、正誤問題の傍線が関係詞のwhichに引かれているわけだから、当然ここは関係詞whichの使い方が適切かどうかを考えなければなりません。→関係詞に傍線が引かれていたら、その使われ方が適切かどうかは必ず確認!

【関係代名詞which】→後ろには不完全な文が来ているはず(名詞が欠けている個所がある)。そして、先行詞がその欠けている場所に入る!

ではwhichの後ろを見てみましょう。

… which all frights were canceled〈because of bad weather〉
※because of bad weatherの部分は前置詞+名詞で修飾語(M)

そう、whichの後ろには完全な文が来ているのである。

「他動詞canceledの目的語(O)が欠けているのでは?」と考えた人は、間違い。
今回は受身です。

They canceled all frights〈because of bad weather〉
→【受身】All frights were canceled〈because of bad weather〉.

目的語(O)を主語(S)にして書き換えたものが受身の文です。
「O→S」「V→V(be+p.p.)」「S→M(by~)」となるので、「受身の文は、目的語(O)が1つ足りないけど、それでOK(逆に目的語があったらおかしい!)」ということでしたね。

さらに、別の視点として「先行詞の名詞が直接入る場所が、whichの後にあるか?」というポイントもありました。

先行詞は名詞であるので、その名詞が直接入る場所がwhichの後にあるということは、whichの後が「不完全な文(名詞が1つ欠けている)」ということでした。

今回の問題文では、「 all frights were canceled〈because of bad weather〉」の部分に先行詞のThe announcementを直接入れられる場所があるでしょうか?
もちろん、ありませんね。よって「①which」の箇所が明らかな誤りです。

では、今回の設問が「誤っている箇所を選び、正しい英文になるように傍線部を書き換えなさい」という問題だったらどうでしょう?

whichの後を不完全な文にするというのも一つの手ですが、「傍線部を書き換えなさい」という条件ならばwhichの後ろをいじるわけにはいきません。

さあ、どうする?

そうです。whichを「接続詞のthat(同格)」に置き換えれば、文法的に正しい英文となります。
接続詞のthatは、接続詞なのだから当然後ろには完全な文の形が来ます。
(I think that she is pretty.のthatがそうでしたね)。

ちなみにこの「接続詞のthat」は名詞節を作ります。
名詞節ということは、文中でS/O/Cの働きをするということですが、今回のようにSでもOでもCでもないという場合が「同格」でした。

【和訳】悪天候のためにすべてのフライトがキャンセルされたというアナウンスを聞いて、待っている乗客たちはとても心配した。

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●大事なこと(その①)
このように関係詞の使い方が適切かどうかを考えさせる問題は、この手の正誤問題を5問程度解いてみれば絶対に出会うはずです。

厳しい言い方をあえてしますが、以上のようなことをしっかりと考えられない受験生は、「必要な学習が全然できていない」と言わざるを得ません。

今回の「関係詞の使い方が適切かをしっかりと考える」というのは、正誤問題でチェックするポイントの中の一つで、このような「数少ない」ポイントをしっかりとチェックできるようになれば、割と短期間で正誤問題の正答率は飛躍的に向上するはずです。
(単語・文法・語法・構文などの知識が身についていない場合はそちらが先決です)

●大事なこと(その②)
また、上記においては“あえて”関係詞以外の部分の説明にも触れました。
本当はあといくつか解説で触れておきたい分野があったのですが、分量の都合で割愛したぐらいです。

このようにしっかりと学習が進められている受験生は、超重要ポイントについては問題をやるたびに毎回毎回出会うポイントであるので、自然に覚えてしまうものです。

しかし、いつもであっていることに気が付いていない受験生は、いつもその存在を意識していない(見えていない)のですから、なかなかたまに意識をしたところで定着しません(つまり、過ぎに忘れ去ってしまいます)。

そして、私は「授業を受ける意義の一つ」もここにあると思っています。

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(→第77回 学習アドバイス「過去問・赤本の利用の仕方(40)」に続く)

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