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第58回 学習アドバイス「過去問・赤本の利用の仕方(21)合格最低点(2)」

■得点の調整はかなり行われている?

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例えば、大学入試センター試験では、原則として「同一教科間に20点以上の平均点差が生じ、これが試験問題の難易度の差によるものと認められる場合」に得点の調整が行われるということになっています。

センター試験はその性質上、なるべく得点の調整を行わず、「受験生の素点」をそのまま各大学の合否に反映させようとしている試験だと考えられます。

そのために、大学入試センター側は少しでも受験生の有利・不利がでないように、各科目の平均点に差が出ないように相当な配慮を行っているはずです。

しかし、現実には皆さんもご存じの通り、これだけの平均点差が出てしまうのです。

●2015年度 センター試験平均点
科目平均点/満点
【英語(筆記)】116.17/200
【英語(リスニング)】35.39/50
【数学Ⅰ】32.38/100
【数学Ⅰ・数学A】61.27/100
【旧数学Ⅰ】33.18/100
【旧数学Ⅰ・旧数学A】70.33/100
【数学Ⅱ】23.83/100
【数学Ⅱ・数学B】39.31/100
【旧数学Ⅱ・旧数学B】49.90/100
【国語】119.22/200
【物理基礎】31.52/50
【化学基礎】35.30/50
【生物基礎】26.66/50
【地学基礎】26.99/50
【物理】64.31/100
【化学】62.50/100
【生物】54.99/100
【地学】40.91/100
【物理Ⅰ】69.94/100
【化学Ⅰ】66.67/100
【生物Ⅰ】60.87/100
【地学Ⅰ】58.72/100
【理科総合A】57.77/100
【理科総合B】55.26/100
【世界史A】47.37/100
【世界史B】65.64/100
【日本史A】45.64/100
【日本史B】62.01/100
【地理A】51.40/100
【地理B】58.59/100
【現代社会】58.99/100
【倫理】53.39/100
【政治・経済】54.79/100
【倫理,政治・経済】59.57/100
※科目平均点は大学入試センター発表(得点調整後の数値)

「得点調整」を行う基準が厳しい(=平均点差が出ないようにかなり配慮していると思われる)」センター試験でさえ、これだけの平均点差は生じてしまうのです。

ということは、単純に考えれば各大学の個別入試では、もっと大きな平均点差が生じている場合が多いように考えられます。

だからこそ、個別の大学では選択科目間の平均点差を何らかの「得点調整」措置によって調整していると考えられるのです。

■合格最低点は参考になる!?

このようにいうと、「合格最低点はあまり参考にならないのでは?」と考える人もいるかもしれません。

実際にそのようにいう指導者の方もいますが、私は「合格最低点はかなりの程度は参考になる」と考えています。

その理由の一つが、繰り返しになりますが、得点の調整が行われるのはあくまで「選択科目」であることがほとんどだからです。

得点の調整が一部の科目だけの場合であれば、総合点の一部に調整が入るものの大幅な点数の修正が行われるわけではありません。

その上、「もともと配点が分からないので、自分が算出した得点にある程度の誤差があるのも承知の上」であることも考慮すると、得点の調整などによる素点とのズレはそう大きくない場合がほとんどだと思われます。

つまり、これまでの受験指導の経験を通しても、一般に大学が公表している合格最低点を“大体の”目安に考えて、十分な合否見込の判断ができるように感じています。

■横並びの出来具合に着目する

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とはいっても、一部の大学においては「公表されている合格最低点」が、「実際の素点」と大きく乖離していると思われる場合もなくはありません。

そこで皆さんに意識してもらいたいのが、「横並びの出来具合」なのです。

ここでいう「横並びの出来具合」というのは、一般に同等レベルのランクとされている他大学の合格可能性とのバランスを考えてみる、ということです。

例えば、「MARCHレベルの大学の過去問をやってみたけれども、軒並み合格点に全然届かない。でも、その中でもX大学のY学部だけは全然余裕で合格点が取れちゃうんだけど」という場合を考えてみて下さい。

もちろん、X大学Y学部以外は「合格点に僅かに足りない」という印象で、X大学Y学部だけが「合格点を少し上回れそう」ということであれば、同じようなレベルの大学の中でもX大学Y学部が特に合格の見込が高い、という見方をしていい場合が多いでしょう。

しかし、同じようなレベルの大学と比べても、著しくX大学Y学部だけが突出して出来るという場合は、X大学 Y学部の合格最低点に大きな調整がかかっていると考えるべきです。

(さらに下のレベルの大学も合格が微妙なケースなどは、なおさらそのように考えられます)

つまり、多少の相性はあるにせよ、同レベルの他の大学でも同じように合格点を上回れるようなスコアが取れているかどうか、それが当該志望校の合格の見込を考えてみる際にも参考になるということです。

■本番で1点でも上乗せするためにベストを尽くす

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配点が完璧には分からなければ、自分の得点も明確には分かりません。

また、合格最低点も明確には分かりません。

しかも、仮にそれらが明確に分かったとしても、「350点満点で毎回コンスタントに20点は上回っているな」などというようにかなりの余裕がある状況でない限り、結局皆さんの心情としても「安心」などはできないのです。

・「合格点にまだまだ足りていない人」→ これなら現実的には今のままでは厳しいな
・「合格可能性圏内に入っている人」→ これなら合格の可能性はあるな
・「合格点をかなり上回っている人」→ これなら受かりそうだな

なので、細かなところを考え込みすぎても、あまり得なことはありません。

それ以上のシミュレーションを気にし過ぎるぐらいならば、本旨に戻って「1点でも多くとるためにはどうしたらいいのか」に時間と労力を割いた方が、受験生としては何倍も賢い選択だと私は思います。

(→第59回 学習アドバイス「過去問・赤本の利用の仕方(22)」に続く)

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