第50回 学習アドバイス「過去問・赤本の利用の仕方(13)総合編(6)」
■苦手科目について(1)
■弱点科目・苦手分野の3認識
●その1 ―― 本格的な受験勉強の序盤戦 ――
受験勉強の序盤戦においては、
「好きな科目=勉強する科目=得意な科目」
「嫌いな科目=勉強しない科目=苦手な科目」
であることが多いものです。
しかし、そうであるならば「勉強していない → できない → 苦手」というのはある意味では当たり前のことであり、「真の意味での苦手科目」ではないともいうことができます。
この学習アドバイスにおいては、このような科目は「苦手科目」なのではなくて、「ただ単にやっていない科目であるだけ」だと位置づけます。
この手の「苦手科目」は、一日も早く克服するための具体的な努力を行って下さいね。
●その2 ―― 本格的な受験勉強の中盤戦 ――
科目によっても異なりますが、基本的に受験勉強の序盤は、それまで学習を行っていなかった科目・分野は、「やればやるほど伸びる」と感じることが多い時期です。
乾ききったスポンジがどんどん水を吸収するように、君たちも学習した内容をぐんぐん吸収し、「分からなかったことが分かるという楽しみ」を感じる受験生も少なくないことと思います。
そのような中で「勉強をしてもなかなか伸びない科目・分野」というものが出てくるかもしれません。
相対的に苦手な科目という意味では、総合偏差値70の受験生であっても比較的に
苦手な科目というのはあるわけです。
つまり、「これまでちゃんと勉強を行ってきたけれども、その結果としても他の科目に比べて苦手な科目」こそが、真の苦手科目であると皆さんには考えてもらいたいのです。
後述しますが、このような苦手科目を夏明けの9月~冬までの期間を使ってしっかりと(総合点の足を引っ張らない程度まで)克服したいものです。
●その3 ―― 本格的な受験勉強の中盤戦~後半戦 ――
そして、3つ目の苦手科目の認識は、「志望校の過去問と合格最低点の裏付け」を伴った上での認識です。
例えば、極端な言い方をすれば、「全国模試で思うように得点できない」「授業テキストの問題がなかなかできるようにならない」「やっている問題集の正答率が上がってこない」など、その科目を苦手だと感じるかもしれません。
しかし、志望校の過去問を解いてみて、コンスタントに合格点が取れる(または、総合点で合格点+αが取れる可能性が高い)のであれば、その苦手は一日も早く克服すべき苦手ではありません。
ただし、逆のケースもあるので注意が必要です。
例えば、英語が一番得意な文系のA君がいたとしましょう。
英語は一番好きな科目だし、全国模試でも毎回一番成績がいい科目が英語です。
しかし、志望校の過去問を解いてみた結果、得意だと思っていた英語が足を引っ張っている、ということもあり得るのです。
つまり、「得意だと思っていた英語が、志望校の合格のためには一番の弱点になっている」「合格点をコンスタントにクリアできそうなのは、実は苦手だと思っていた国語だけだった」などということもあり得るのです。
(→第51回 学習アドバイス「過去問・赤本の利用の仕方(14)」に続く)